夜になると、なぜかテンションが上がってやる気が湧いてくる――。
昼間は眠そうにしていたのに、夜中に突然元気になって「今なら何でもできそう!」なんて気分になったこと、誰にでもあるはずです。
でもこれ、ただの気のせいではなく、ちゃんと脳とホルモンの働きが関係しているんです。
夜のテンション上昇には「メラトニン」が関係している
まず登場するのが「メラトニン」というホルモン。これは“眠りのホルモン”とも呼ばれていて、夜になると分泌され、体に「そろそろ寝る時間だよ」と合図を出す役割を持っています。
昼間に浴びた太陽光の影響で、脳内では「セロトニン」が作られます。このセロトニンが夜になるとメラトニンへと変化する仕組みなんですね。
ただし、このメラトニンの分泌タイミングや量は、生活習慣や照明の明るさなどで大きく変わります。
スマホやパソコンのブルーライトを浴びるとメラトニンの分泌が抑えられ、眠気が遠のく一方で、脳が「まだ昼だ」と錯覚してしまう。
すると、眠くなるどころか「なんかやる気出てきた!」という謎のテンション上昇が起こるわけです。
要するに、夜にテンションが上がる理由の一つは、「本来眠くなるはずのメラトニンの働きが乱れているから」なんです。
特に現代人は夜でも明るい部屋やスマホの光に囲まれているので、脳が夜モードに切り替わらず、活動スイッチが入りっぱなしになることが多いんですよ。
脳の「覚醒リズム」が夜にピークを迎える人もいる
もう一つの大きな理由が、「脳の覚醒リズム」。
私たちの体には「体内時計」があり、約24時間周期でホルモン分泌や体温、集中力などが変動しています。
このリズムは人によって微妙にズレていて、「朝型」と「夜型」に分かれる傾向があるんです。
夜型の人は、夕方から夜にかけて脳の覚醒レベルが上がり、集中力や創造性がピークを迎えます。
いわゆる「夜になるとやる気が出るタイプ」は、体内時計のリズムが少し遅れているため、夜に脳が最も活性化するんですね。
逆に朝型の人は、夜になるとしっかり眠くなり、テンションが上がるどころか「もう寝たい」モードになります。
この脳の覚醒リズムには、遺伝や生活習慣、年齢なども深く関わっています。
特に若い人は夜型に傾きやすく、年齢を重ねると朝型に移行していく傾向があります。
学生時代は夜更かししても平気だったのに、大人になると夜10時を過ぎたあたりで眠くなる…というのも、脳の覚醒リズムが変わってきている証拠なんです。
夜にテンションが上がるとき、脳では何が起きている?
夜の脳内では、メラトニンの分泌が抑えられた状態で、代わりに「ドーパミン」や「アドレナリン」といった興奮系ホルモンが活発になります。
これらは「快楽」「やる気」「興奮」に関わる物質で、深夜テンションの正体そのものと言ってもいい存在。
深夜に友達と通話して大笑いしたり、動画を見て急にクリエイティブなアイデアが浮かんだりするのも、このホルモンたちが脳を活性化させているからです。
また、夜は周囲が静かで刺激が少ないため、脳が「自由に考えやすい」状態にもなります。
昼間は外部刺激(音や光、人間関係のやり取りなど)が多く、脳が常に情報処理に追われていますが、夜はその負荷が軽くなる。
すると、脳の創造的な部分(前頭前野や側頭葉)が働きやすくなり、「なんかアイデア浮かんできた!」と感じやすいんです。
夜テンションは“脳のボーナスタイム”かもしれない
こう考えると、夜にテンションが上がるのは悪いことばかりではありません。
むしろ、脳の覚醒リズムが夜に向いている人にとっては「ゴールデンタイム」なんです。
この時間に創作活動や勉強をすると、昼間より集中力が増すこともあります。
ただし、夜テンションをそのまま引きずると、寝るタイミングを逃して生活リズムが崩れる原因にもなります。
特に、メラトニンの分泌が抑えられた状態で深夜までスマホを触っていると、翌朝のだるさや集中力の低下につながるので注意が必要です。
夜にテンションが上がったら、「今は脳が活性化してる時間なんだな」と理解した上で、無理に抑えずに短時間だけ活用して、しっかり寝るのがベストです。
まとめ:夜にテンションが上がるのは「眠り」と「覚醒」のせめぎ合い
人が夜にテンションが上がる理由をまとめると、次のようになります。
- メラトニンの分泌が乱れることで「眠気スイッチ」が入らない
- 脳の覚醒リズムが夜にピークを迎えるタイプの人がいる
- ドーパミンやアドレナリンが活発になり、気分が高揚する
- 静かな夜は脳が自由に考えやすく、創造性が増す
つまり、夜のテンションは「眠りのホルモン」と「覚醒リズム」のせめぎ合いから生まれる、ちょっとした生理現象なんですね。
うまく付き合えば、夜は最高のひらめきタイムにもなるし、うっかりオールして後悔する日にもなる。
結局のところ、夜のテンションとは“人間の脳が持つ不思議なバランス感覚”の産物なんです。
次に夜テンションが来たときは、「あ、今メラトニンと脳が戦ってるな」と思い出してみてください。
ちょっと笑えて、少し冷静になれるかもしれませんよ。

