お風呂に入るとリラックスできる理由|副交感神経と体温の関係を徹底解説!

生活

一日の終わりにお風呂に入ると、「あ〜、生き返る〜」ってつい声が出ちゃうこと、ありますよね。
肩の力が抜けて、心も体もほっとする。なぜお風呂には、こんなにもリラックス効果があるのでしょうか?

今回は「副交感神経」と「体温変化」に注目して、お風呂でリラックスできる理由をわかりやすく解説します。
お風呂はただ体を洗う場所じゃなくて、実は“最高のリセットスイッチ”なんですよ。


お風呂に入ると「ほっとする」理由は?

お風呂に入ると、自然と「ふぅ〜…」と息が漏れて、体がゆるんでいく感覚がありますよね。
これは、単に温かいお湯で体が温まるからというだけではありません。

実は、体が温まることで「自律神経」のバランスが変化し、心身がリラックスモードに切り替わるんです。

特に関係しているのが、「副交感神経」。
この神経は、体を“休ませるモード”にするスイッチのような存在です。


副交感神経とは?リラックスを司るスイッチ

人間の体には「自律神経」と呼ばれる、無意識で体の働きを調整してくれる神経があります。
自律神経は、次の2つに分けられます。

  • 交感神経:活動モード。仕事中・運動中・緊張しているときに優位になる
  • 副交感神経:休息モード。食事中・就寝前・リラックスしているときに優位になる

日中は交感神経が活発に働いて、体は“戦闘モード”になっています。
逆に、お風呂に入って温まると、副交感神経が優位になり、“休息モード”へと切り替わるのです。

つまりお風呂は、「体を温める」ことで、自動的に副交感神経をオンにしてくれる“リラックススイッチ”なんですね。


お湯の温度が副交感神経に与える影響

お風呂のリラックス効果は、「お湯の温度」にも深く関係しています。

目安としては、38〜40℃くらいのぬるめのお湯がベスト。
この温度帯だと、体がじんわり温まって副交感神経が優位になり、心拍数や血圧もゆるやかに下がります。

一方で、42℃以上の熱いお湯は、交感神経を刺激してしまいます。
「シャキッとしたい」「朝風呂で目を覚ましたい」ときにはいいですが、リラックスしたい夜には向いていません。

つまり、夜のお風呂でリラックスしたいなら、ぬるめのお湯でゆっくりが鉄則!
「ちょっとぬるいかな?」と思うくらいが、実はちょうどいいんです。


体温変化が「眠気」を誘う秘密

お風呂に入った後って、なんだか眠くなりませんか?
これは「体温変化」が関係しています。

人の体温には、実は2種類あります。

  • 深部体温:体の内部(臓器など)の温度
  • 皮膚体温:手足などの表面の温度

私たちの体は、深部体温が下がると「眠りやすくなる」仕組みになっています。
お風呂に入ると一時的に体全体が温まり、深部体温も上昇します。
しかし、お風呂から出たあとに体が冷えていくと、深部体温がスーッと下がり始めます。
この“体温が下がるタイミング”こそが、まさに眠気を誘う瞬間なんです。

つまり、お風呂は「体温を上げて、下げる」というサイクルを作ることで、自然な眠気とリラックスを促しているわけです。


「体温変化+副交感神経」で究極のリラックス効果

お風呂に入ると、体が温まる→血管が広がる→血流が良くなる→副交感神経が優位になる。
この流れによって、体も心もゆるんでいくのです。

そして、お風呂から上がった後は体温がゆるやかに下がるので、眠りの準備も自然と整います。
つまり、「副交感神経の働き」と「体温変化」のダブル効果で、リラックス状態が最大化されるわけです。

この現象をうまく利用すれば、お風呂=最高のリラクゼーションタイムになるんです。


リラックス効果を高める入浴のコツ

どうせお風呂に入るなら、リラックス効果を最大限に引き出したいですよね。
ここでは、簡単にできる“入浴のコツ”を紹介します。

① お湯の温度は「ぬるめ(38〜40℃)」に

この温度が一番、副交感神経を刺激しやすく、体が自然と落ち着きます。
熱すぎると逆に交感神経が優位になって、リラックス効果が半減してしまうので注意。

② 入浴時間は15〜20分ほど

長すぎると逆に体が疲れてしまうので、15〜20分程度の半身浴が理想的です。
肩までつかる全身浴よりも、みぞおちくらいまでの半身浴が心臓への負担も少なくて◎

③ お風呂上がりは“急に冷やさない”

せっかく温まった体をすぐに冷やすと、副交感神経の効果が半減してしまいます。
タオルで体をよく拭いて、軽く水分をとってからパジャマに着替えましょう。

④ 就寝1〜2時間前の入浴がベスト

お風呂の「体温上昇→低下」のサイクルが、眠気を誘うリズムを作ります。
寝る直前に入ると、体温が高いままで寝つきにくくなるので注意!

⑤ アロマや照明で“癒し空間”を演出

香りには副交感神経を刺激する効果があります。
ラベンダーやカモミールなどのアロマオイルを数滴入れるだけで、お風呂がスパ空間に早変わり。
照明を少し落とすのも効果的です。


ストレス社会にこそ「お風呂習慣」を

現代人は、仕事や人間関係、スマホの情報過多などで常に交感神経が優位な状態。
いわば“戦闘モード”のまま一日を過ごしている人がほとんどです。

そんな中で、お風呂に入る時間は唯一「副交感神経が優位になる時間」。
つまり、毎日のバランスを整えるための“リセット時間”なんです。

たった15分でも、ぬるめのお湯にゆったり浸かるだけで、ストレスホルモンが減少し、心拍数が落ち着き、脳が「休んでいいよ」とサインを出してくれます。

「忙しいからシャワーだけでいいや」と思う日もあるかもしれませんが、疲れている日ほど、ゆっくりお風呂に入る価値があります。


お風呂がもたらす“脳への癒し”効果

体が温まると血流が良くなり、脳への酸素供給もスムーズになります。
これにより、脳の緊張がゆるみ、ストレスで溜まった“思考のごちゃごちゃ”が整理されやすくなるんです。

また、副交感神経が優位になることで、セロトニンやエンドルフィンといった「幸福ホルモン」の分泌も促されます。
つまり、お風呂は「体」だけでなく「心」も整えてくれる最高の癒しタイムなんです。


まとめ:お風呂は「心と体をリセットする時間」

お風呂に入るとリラックスできる理由は、主に次の2つです。

  • 体が温まることで副交感神経が優位になり、体と心が休息モードになる
  • お風呂による体温変化(上昇→下降)が、自然な眠気と安心感を生み出す

ぬるめのお湯でゆっくり浸かるだけで、体は勝手に「リラックスモード」に入ってくれます。
つまり、お風呂は“最も手軽で効果的なストレス解消法”なんです。

今日も一日がんばったあなた。
スマホを置いて、お湯にゆったり浸かりましょう。
お風呂の中でふと「何も考えずにいられる時間」こそ、脳が求めていた最高のご褒美です。


湯気の向こうでゆるむ心と体。お風呂は、あなたを“今”に戻してくれる場所なんです。