冬になると、なぜか食欲が増して体重も増えやすくなる…そんな経験、誰にでもあるよね。
でもこれ、ただの「食べすぎ」や「運動不足」だけが原因じゃないんだ。実は私たちの体の中では、冬特有の“生理的な変化”が起きていて、それが太りやすさに直結している。
この記事では、「基礎代謝」と「食欲ホルモン」という2つのキーワードから、冬に太りやすくなる理由をじっくり解説していくよ。
寒いのに太る?まずは「基礎代謝」の勘違いから
「冬は寒いから、体が温まるためにエネルギーをたくさん使う=痩せやすい」と思ってる人、多いんじゃない?
確かに理論的には、体が冷えると体温を保つために熱を作り出す。これを“代謝熱産生”といって、筋肉や脂肪細胞がエネルギーを燃やす働きだ。
つまり、寒さにさらされている時間が長いほど、基礎代謝は一時的に上がることは間違いない。
でもね、実際の冬の生活を思い出してみて。
外は寒いから厚着をするし、部屋の中では暖房が効いてる。通勤も車や電車。つまり、現代人の冬はほとんど「寒さにさらされていない」んだ。
だから体はあまり熱を作る必要がなく、むしろ室内でぬくぬく過ごすことで基礎代謝が下がる傾向がある。
基礎代謝っていうのは、何もしていなくても体が勝手に使うエネルギーのこと。
たとえば呼吸したり、体温を保ったり、心臓を動かしたり…生命維持のために消費されるエネルギーのことだね。
この基礎代謝は、筋肉量と体温に大きく影響される。
つまり寒い季節に運動量が減って筋肉が落ち、さらに体温を外部(暖房)で補ってしまうと、代謝が下がってしまうというわけ。
冬の「基礎代謝低下スパイラル」
冬は寒くて外出したくない → 運動量が減る → 筋肉量が減る → 基礎代謝が下がる → 太りやすくなる。
この流れ、まさに冬の“代謝スパイラル”だ。
寒さそのものが悪いんじゃなくて、「寒さを避ける生活」が代謝を落とす原因なんだ。
じゃあ逆に、冬でもウォーキングや軽い筋トレを習慣にすれば?
そう、基礎代謝をキープできる。さらに、寒い中での運動は熱を生み出すので、効率的に脂肪を燃やす効果もあるんだ。
つまり“寒い冬こそ体を動かす人が最強”ってこと。
もうひとつの原因、「食欲ホルモン」の暴走
次に注目したいのが、「食欲ホルモン」。
特に有名なのがグレリンとレプチンという2つのホルモンだ。
グレリンは胃から分泌されて、「お腹が空いた!」と脳に知らせるホルモン。
一方のレプチンは脂肪細胞から分泌されて、「もう満腹だよ」と脳に伝えるホルモン。
つまり、グレリンは食欲を増やす役、レプチンは食欲を抑える役ってわけ。
冬になるとグレリンが増える理由
実はこのグレリン、気温が下がると分泌量が増えることがわかっている。
なぜかというと、体が「寒い=エネルギーを蓄えたい」と判断するから。
動物が冬眠前にたくさん食べるように、人間の体も本能的に「備蓄モード」に入るんだ。
つまり、グレリンの分泌が増えて食欲が暴走しやすくなる。
さらに、日照時間が短くなる冬は、脳内のセロトニン(幸福ホルモン)が減少する。
セロトニンは食欲や気分をコントロールしてくれる大事な物質なんだけど、これが減ると「甘いものを食べて気分を上げたい!」という欲求が強くなる。
結果、糖分や脂肪分の多い食べ物を求めやすくなるんだ。
レプチンの働きも鈍くなる
一方、満腹を知らせるレプチンの働きは寒さと共に鈍くなる傾向がある。
つまり「お腹いっぱい」の信号が脳に届きにくくなって、気づけば食べすぎている、という現象が起きやすい。
このダブルパンチが冬の“食欲暴走”を生み出してるんだ。
冬太りを防ぐ3つのコツ
でも安心して。冬太りは「仕方ないもの」じゃない。体の仕組みを理解して対策すれば、ちゃんとコントロールできる。
① 軽い運動で基礎代謝をキープ
冬はどうしても外に出たくなくなるけど、1日20〜30分のウォーキングでも十分効果あり。
冷たい空気を吸うことで体が熱を生み出し、代謝アップにもつながる。
「寒いから動かない」は、冬太りまっしぐらの第一歩。
筋トレやストレッチを取り入れて、筋肉量を維持するのもポイントだ。
② 食欲ホルモンをコントロールする食べ方
グレリンは、空腹時間が長いほど多く分泌される。
だから「1日2食で我慢」みたいな極端な食事制限は逆効果。
むしろ3食をバランスよく、特に朝食をしっかり取ることで、グレリンの暴走を防ぎやすくなる。
また、タンパク質を含む食事は満腹感を持続させてくれるからおすすめ。
③ 部屋を暖めすぎない
暖房を強くしすぎると、体が「自分で熱を作る必要なし」と判断して代謝を下げてしまう。
部屋の温度は20℃前後に保ち、服装で調整するのがベスト。
軽く冷たい空気を感じるくらいが、体の燃焼スイッチを入れてくれる。
まとめ:冬太りは「季節のせい」じゃなく「体の反応」
冬に太るのは、基礎代謝の低下と食欲ホルモンの変化が重なるから。
寒いから動かない、暖かい部屋でぬくぬく、つい甘いものを食べちゃう——
そんな生活パターンが、自然と脂肪を溜めるサイクルを作ってしまうんだ。
でも、これは言い換えれば「体がちゃんと生き延びようとしている証拠」。
季節に合わせた反応なんだから、うまく付き合っていけばいい。
冬こそ、軽い運動とバランスの取れた食事で、自分の体を“冬仕様”にチューニングしてあげよう。
そうすれば、春が来る頃には自然と体も軽くなってるはず。
「冬に太るのが当たり前」なんて思わずに、体の仕組みを味方にして冬を乗り切ろう!

